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ベビー布団の新たな発表

SNは「内心は及び腰」(関係筋)で、「『Rにこう(三年分しかダメと)通告しました』と金融庁にも、同時に報告している」(同)。
乱数表の数字「4」の登場だ。 金融庁監督局の第一線の課長が「Rを潰す気ですか」とSNに尋ねたというのだ。
もともと及び腰のSN側はこれを桐喝と受け止めた。 NK新聞の二00三年五月一二日付朝刊の経済二面に「金融波乱Rの教訓(下)」という記事が掲載されている。
そこに面白い表現があるのでそのまま引用する。 「金融庁の一部は、R側と組んで(私注一自己資本比率の)四%割れを避けようと動いていた」と複数の関係者はいう。

しかし、そうした動きは封じられ、公的資金の注入が決まった。 行政がやんわりお墨つきを与える従来のような対応を続けていれば、Rは無事に決算を迎えていた可能性が強いSN監査法人理事長のT(当時)が、RHD社長のKに泣きつかれたことも微妙な影を落とした、という。
二人は旧知の間柄だった。 一時、SN監査法人が軟化して、「五年の算入は認めるが、収益計画が予定通り進めばという但し書きを付ける」という妥協案を捻り出したという未確認情報もある。
だが、限定意見が付けば、「Rは危ない」という風評が立つに決まっている。 もう一つは、「三年と五年の中聞を取って四年にする」という折衷案だ。
金融庁の事務方から首相官邸に上がった報告が「計上される繰り延べ税金資産は四年分。 自己資本比率は四%台をかろうじてクリアした」だったのと符合する。
五月中旬の時点では「Rは滑り込みセーフ、との見方が金融界の大勢だった」(有力金融筋)。 T・経済財政・金融担当相は「(金融庁は)決算作業には不介入。
間違っても(金融庁が)影響を与えたりしないように」と事務方にはっきりと伝えていた。 それにもかかわらず、事務方(現役の第一線の課長クラス)が「Rは潰せない」とはっきり口に出し、実際にそうした考えに沿って行動した。
「4」という数字は金融庁の事務方が巻き返した結果、出てきた幻の数字の「四年」分をも指す。 「4」が旧・大蔵省銀行局出身の(金融庁の)複数の事務方の意見だったという推測も成り立とう。
しかし、0・N会計士協会会長(当時)が「金融問題タスクフォース」の会合で、金融庁に確認を求めたことで、事務局の暗躍は水泡に帰した。 公式の席で、本音べースでズパリ聞かれれば、当局は建て前で答えるしかない。

裏に回れば強い、役人のこれが最大のウイークポイント(弱点)である。 R担当の会計士の自殺の報に接したSNの若手公認会計士たちは「(金融庁の)一部の人間のために、うちが無限責任を負うのは筋違いだ」と騒ぎ出した。
「甘い監査は墓穴を掘る」との正論で幹部をグイグイ押した。 とうとう、SNは「3」(年)を選択するしか方法がなくなった。
最後の「3」は、この「3」である。 乱数表の数字が語るのは、Rの経営破綻に直面した監査法人の葛藤、そのもので、有力金融筋が得た情報だと、金融庁のある課長は中園地方の地方銀行の雄、H銀行に「Rを何とか頼む」とのS0Sを発したという。
もちろんH銀の答えは「ノー」だった。 五月一七日夜、Rは事実上国有化され、預金は全額保護された。
旧・Tや旧・N銀のときとは大違いで、株式の上場はそのまま維持され、株券は紙屑にならずに済んだ。 これは画期的なことだった。
兜町はTの判断を高く評価した。 Rの救済が東証平均株価が急激に反転・上昇するきっかけとなった。
公的資金による、Rの救済発表によって、底値で、R株式を買っていた外資は大儲けしたといわれている。 本来なら破綻すれば、株主は自己責任で、保有株式の価値はゼロになるという厳しい現実に直面するが、Rに関しては逆に、株主は巨額の利益を得たのである。

とんでもないモラル・ハザード(経済倫理の欠知)が起こったことになる。 この当時、Rの破綻を警戒し、R株式の投げ売りが広がっていた。
他方、暴落の過程で、しっかりと、R株式を買い集めていた人々が存在した。 破綻ではなく、Rが最終的に救済されるのなら、株価が猛反発するのは確実だ。
この内部情報に基づいて、外資は、R株式を大量に買い集めていた。 外資は、Rは逆転・救済というストップシークレットの情報を、どこから入手したのであろうか。
Rの株価の動きには謎の部分が多すぎた。 Tが加担したとされるインサイダー疑惑が、今日までずっと流布しているが、今となっては、確認する術はない。
HD社長のKをはじめ一0人以上の経営陣が引責辞任し、HDの新社長にはK取締役が就任した。 関連会社を含めて六0歳以上の役員、一00人以上がいっせいに退任した。
R銀行は、破綻する直前まで「(三月期決算の)自己資本比率は六%台半ば」と繰り返し公言していたのに、このていたらくぶりであった。 Rショックは金融界全体に広がった。
自己資本が脆弱なのは、Rだけではない。 メガバンクも同じ悩みを抱えていた。
MR証券が二00三年五月一九日付で発表したリポートは衝撃的だった。 Rと同様に「五年」から「三年」に繰り延べ税金資産の算入年限を短縮すると、MTフィナンシャル・、グループ(当時)の自己資本比率は八・九八%で国際業務を行うのに必要最低限の八%を超えるが、五年基準で同一0%程度だったMSは同七・七%、九%台といっていた、MやU(私注いまだ、このとき、Uは生きていた)は揃って七・三%に急降下することがわかった。

もし、八%を割り込めば、国際的に展開しているメガバンクは海外業務ができなくなる。 各行とも、八%を死守するために、公的資金の・申請に追い込まれかねない瀬戸際に立たされていたのだ。
Rは、もともと「負け組連合」などと呼ばれていた。 金融庁が「不健全行を次々と、Rに引き受けさせてきた経緯があるからだ。
「Rの帝王」といわれたワンマン頭取(持ち株会社では社長)のKはそのへんの役割をよく心得ていて、関西の不健全行を拾って歩いた。 Kと金融庁の元長官のM昭治の二人三脚ぶりは、つとに有名だった。
Rは二00一年にD銀を主体に、K0銀行、N銀行を統合して発足した。 金融庁の後押しで、A銀行も拾った。
RがSN監査法人と激突して敗色が濃厚になっていたころ、「W銀行を傘下に収めることを検討」というニュースが流れた。 NK新聞が報道したのだが、これも、金融庁の事務方のリークとされる。
しかし、第二地銀のW銀行が陣営に加わるといった程度の(テコ入れの)ニュースでは、Rの延命の屈の突っ張りにもならなかった。 なお、W銀行はその後、和歌山県の県金庫のK銀行に吸収合併されて、姿を消した。
Kが「金融当局は絶対にうちを潰せない」と豪語するのを、何人もの金融関係者が聞いている。 だが、結局、Kは金融庁の長官までやったMにも裏切られた。
実質固有化になったため、これ以降、Rが「不健全銀行」の受け皿になるのは難しくなった。 W銀行の受け入れは当然のことだが、白紙撤回された。

RHD傘下の、R銀行、SR銀行、K0銀行、N銀行、R信託銀行を一つのグループとして束ねていくことすら、先行き困難だろうと予想されるほど、深刻な事態に立ち至っていた。 「まず考えられるのは、SR銀をTM銀行(当時)に引き取ってもらうことだ」(有力金融筋)。

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